●G13B(A)エンジンのタイミングベルト交換
☆G13B(A)エンジン タイミングベルト交換 メーカーでの指定は10万キロ交換ですが、いつの間にか走行距離は12万キロに達しようとしていました。通常はコストを考えて同じ箇所にあるウオーターポンプも同時交換するべきですが、当方の場合、工賃は関係ないし回数をこなすことで経験値が上がるということで漏れの無いウオーターポンプは交換しません。G13B(A)エンジンの整備情報はあまり無いようなので、SJ20の時とは違い画像を多く撮ってみました。 SJ20では数回経験のある作業ですが、G13Bは初めてです。おまけに本来設定を想定していなかったエアコンやパワステの補器類が詰め込まれていて窮屈。快適装備の代償ですね。基本的に効率の良い作業を目指さなければ大変です。マニュアルでは不親切な部分もあるので、何かの参考にでもなればと思います。 バッテリのマイナス端子を外したらまず、冷却系統。クーラントをドレーンし、ホースクランプ(ロアは見えるところのみ)を緩めつつオルタネータとコンプレッサのベルトを緩めておきます。マニュアルではシュラウドとファンを外す、ラジエーターを外すとありますが・・・・・そんな作業は無理です。シュラウド固定ボルトの1本はロアホースとオルタネータの奥底にありますのでレンチすら振れません。 そこでファンの固定ボルト4本とラジエーター固定ボルト4本、シュラウド固定ボルトの上2本(これがミソ)を緩めた後にシュラウド、ファン、ラジエーターを3点セットで抜きます。 このように一体で引っこ抜きます。右画像のようにラジエーター本体とシュラウドでステーを挟んでいるので、上2本だけを緩めておいて抜くという訳です。因みにシュラウド固定ボルトのうちの1本は画像のロアホースの裏です。ロアホースを外せばいいのでは?そうですか。ではクルマの下からアンダーカバーを外して(これは上からネジ留めで、そのネジはというとエアコンのコンプレッサやステアリングリンケージの下です)固まったホースクランプをヒ〜ヒ〜言いながら緩めてくださいな。 ベルト類を撤去してスッキリしたら1番シリンダーを圧縮上死点にセット。クランクプーリーの合いマーク(非常に見難いのでマーキングしましょう)と、ディストリビューターの位置で確認できますね。カムカバーを外しても確認できます。 次にクランクプーリーを外します。F8Aでは太いボルト1本で固定されていますが、G13Bでは5本。面倒なクランクタイミングプーリーの太いボルトを緩める作業を回避するようになっています。この辺りは整備性を向上させるように考えられています。 クランクタイミングプーリーを緩めたい場合、高トルクで締められているのでプーリーホルダを使っても緩め難かったり工具の持ち合わせが無い時がありますが、そうのような時の裏技としてはリーフにレンチを引っ掛けてセルをチョンと回してやるという方法があります。点火系を殺して行うと良いでしょう(あくまで裏技であり、全くお勧めしません)。 カバーを外します。カバーの内側は汚れているので清掃しておきましょう。ここでテンショナを外します。左は新品、右がお疲れ品ですね。 次はベルトを外しますが、その前に今一度位置を合わせます。ここではカムプーリーの80CとタイミングマークをカバーのVマークに、クランクタイミングプーリーのポンチマークとブロックの↓を合わせます。 ※理論的にはベルトを交換するだけですから、ベルトを元の位置にきちんとつければここまで神経質に位置を確認する必要はありません。イチイチ確認するのは面倒くさいぜ!そう思うなら適当にやってください。そしてクランクが勝手にゴロンと回転して位置合わせに四苦八苦されることでしょう。クランクの回転が60度を超えればバルブとピストンがゴッツンします。ご存知のように、クランクは自重で回転します。指定の位置はクランクシャフトが最も安定して静止できる位置です。我々アマチュアは安易な作業が原因で悩んでしまいますし、最悪「いじり壊し」に陥ります。 ベルトを外します。表面は細かいヒビ、ベルト自体も随分硬くなっていて不安がイッパイの状態です。ここからしばらくは一切プーリーに触れない様に! テンショナプレートをテンショナに取り付け、ブロックに仮止めします。プレートのラグをテンショナの穴に確実に入れます。画像ではテンショナスプリングを完全に外していますが、スプリングとダンパの関係が面倒なので外さない方が良いです。ここでテンショナがプレートと同じ方向に回転するか確認します。 ベルトを作動側(右側)に緩みが無いように取り付けます。ベルトの→マークがクランクの回転方向と同じになるように!ここでテンショナスプリングをかけて赤←のプレートボルトを仮止めし、クランクを右に2回転させます。これで緩みが取り除かれるので、各ボルトを規定トルクで締めます。テンショナボルト240〜300kc・cm テンショナプレートボルト90〜120kg・cm。 あとはカバーを取り付け、クランクプーリーを固定(ボルト5本 140〜180kg・cm)し、分解と逆の手順で組み付ければ完了間近です。ラジエーターとステーをシュラウドで挟むのをお忘れなく!指定濃度のクーラントを注入し、エア抜きすればおしまい・・・・・・・・・・・・ではなく!その前に冷間でバルブクリアランスを測定、必要があれば規正します。 全ての作業が正しければエンジンは何事も無かったかのように回り、ミスがあればブッ壊れるだけです。 ※当HPにしては珍しくHowTo形式ですが、当頁は素人整備を推奨するものではありません。このような作業はプロの方にお任せするべきです。しかしながら同じような作業の参考になるかもしれないし、場合によっては反面教師かもしれません。しかし工賃の意味や同様の作業を行うに当たって効率の良い方法を考察する上では意味があると思っています。あとはアナタの責任です! |